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萬年筆くらぶ fuente 交流会 2008 - fuente meeting 2008
2008年10月26日
去る10月25日、26日の両日にわたり、恒例の「萬年筆くらぶ交流会」が行わ れました。 場所は、銀座1丁目の「北欧の匠」。 例年同様、たくさんの萬年筆好きの人たちが参加して楽しい交流会でした。ペンクリニックあり、万年筆・その周辺グッズの即売あり、オークションあり、宴会 ありで、万年筆好きにとっては堪えられない2日間だったのではないでしょうか。
交流会の内容と会場の間取りを書いておきましょう。
10月25日(土曜日)
- 終日万年筆談義
- ペンクリニック(たこ吉さん、山田さん)
- 万年筆・万年筆関連グッズ・鞄・書籍の即売
- ユーロボックス出店
- オークション品展示
10月26日(日曜日) - ペンクリニック
- 六善 吉村通孝氏講演会
- オークション 立食パーティー
3階
- 古山浩一 万年筆画
- 万年筆・万年筆関連グッズ・鞄・書籍(カンパ品)
- フエンテ オリジナルノート、鞄・革製品・万年筆
- 六善 ユーロボックス
- オークション品展示
4階 - ペンクリニック (たこ吉さん、山田さん)
- 歓談コーナー
今回のゲストスピーカーは、「六善」の吉村通孝さん。「萬年筆くらぶ・フエン テ」会長の中谷でべそさんは、吉村さんとの出 会いを語りながら、次のように紹介した。「僕が吉村さんと初めて会ったのは今年のペン・トレーディングの会場だったんです。吉村さんはそのとき、今ではあ まり見かけることもなくなった日本のセルロイド製万年筆が持つ素材の美しさや、魅力を懇々と話してくれたんです。吉村さんが語る言葉は衝撃的で、ほんとう に印象的な出会いでした。」と。 そして、今回の講演となった。
即売品・オークションはどちらかというと、小粒だったがすごい数が並んだ。万年筆、ボールペン、ペンシルなどの筆記具から、インク瓶、ペンケース、書籍、 革鞄、ポスター・便箋・などの紙もの・・・といった具合に、万年筆の周辺グッズがたくさん並べられていた。毎年これだけのものが全国の「萬年筆くらぶ・フ エンテ」の会員からカンパされるというのだからフエンテの会員はすごい。というより、中谷でべそさんの存在がすごいと言うべきか。 萬年筆くらぶ・フェン テの会員は400名を越えているそうだ。 これだけの会員がいれば、不協和音が聞こえてきそうだが、未だかつて、そういった話は聞いたことはない。これにはいつも感心させられる。 すべて、中谷でべそさんの人柄と人徳によるものだろう。
「萬 年筆くらぶ・フエンテ」を主宰する中谷でべそさん
吉村氏は、万年筆との出会いから話し始め、どのようにして自分が万年筆を扱うよ うになったのか、現在の日本製万年筆には、 どのようなものがあるのかなど、実際に万年筆を見せながら説明した。 万年筆の世界に入った直接のきっかけは、6年前に、大阪に住む友人を経由して手に入れた赤漆の万年筆だった。そのとき彼は、万年筆といえばコンバーターや カートリッジで使用するものというくらいの知識しかなく、古い日本製の漆やセルロイド万年筆などを目にして、世の中にはこのような万年筆もあるのだという ことを知り興味を持ったという。これを機に吉村さんは、日本製万年筆にのめり込むことになる。彼は、それらの赤漆やセルロイド万年筆を友人から引き取るこ とにし、その上、友人宅に泊まりこんで日本製万年筆のことを教えてもらったそうだ。
吉村さんが現在扱っている商品は、主に日本の古いセルロイドやエボナイト製の万年筆であるが、彼は、もっと日本製万年筆を見直してほしいと訴えている。 「ペリカンやモンブランもいいが、日本製万年筆にも、セルロイドや漆、エボナイトなどを使った日本独特のものもあり、構造的にも、インク止め式のようにお もしろい機能をもつすばらしい万年筆が残っている。しかし、現実には現在インク止め式万年筆を作っているところは、万年筆博士、マサヒロ万年筆、百瀬さん ら数えるくらいしかなくなってきており残念なことだ」と。
ところで、吉村さんはもともとサラリーマンだったが、「いろんなことをして人生を楽しみたい」という発想から、退職後いろんなことに挑戦している人でも あ る。お店の名前「六善」とは、文字通り、万年筆をはじめいろんなことを楽しんでいこうという意味が込められているのだそうだ。

すなみまさみちさん これは、 何かいわくつきのノートなのかな??
今回の交流会で、個人 的に印象に残っていることの一つとして、中園宏さんと一緒に来られた、元プラチナ万年筆の角野博重さ んにお会いできたことがある。 その角野さんから、プラチナの「創業70周年記念万年筆」にまつわる貴重な話を聞かせていただいたので、その一端を紹介したい。 角野さんは、30数年プラチナ万年筆に勤務され、現役最後の仕事として、創業70周年記念万年筆の開発に関わり尽力された。
今では「プラチナ究極の万年筆」とも言われる「70周年記念レターウッド万年筆」誕生のきっかけとはどのようなものであったのか。角野さんは一つひとつ 思 い出すように話してくださった。 「ある日、たまたま三越デパートを歩いていたらスネークウッドのステッキが目に入ったんですよ、これは面白いぞとひらめきました。 さあ、それから素材を 入手して、取りかかるのですが、これが非常に難しい。素材が硬くて硬くて、おまけにヒビが入ったり割れてしまったり・・・。 ツヤ出しも、普通の万年筆と 違ってバフがけでは磨けないんですよ。ですから砥石を使って磨きました。びっくりでしょう・・・」 寸法精度を出すのにも苦労されたそうだ。 「まあ、とにかくあのレターウッドには苦労しました。ブドマリも悪く、100本作ってもまともにできあがったの は20本くらいでしたかねぇ。 最終的に200本生産しましたから、その4-5倍くらいはオシャカになった計算です」「あの時は、社員一同一丸となって進 んでいるという感じでしたねぇ。例えば、クリップの素材一つにしても営業と開発部の間で丁々発止の意見衝突もしばしばありました。それに、社長からも『徹 底してやれ』と劇をとばされていましたし・・・」 「創業70周年記念万年筆」の開発は、社長の肝いり、まさにプラチナの「命運をかけた最初のビッグイベ ント」であったのだ。 角野さんの話を聞いていた我々は、興味が尽きず、ただただ目を丸くして聞き入るばかりであった。
こんなこともおっしゃっておられた。「モンブランを意識していました。やはり、あの大きさが必要ということもありました。それから、古典的なイメージも 描 いていました」 やはり、あの時代もモンブランは燦然と輝きを放っていたのか・・・。 淡々と話される角野さんであったが、言葉では言い尽くせない苦労もあったと推測する。
かくして、社長以下、社員全員の気持ちが一つになって進められた「ビッグイベント」は、プラチナ創業70周年を祝うに相応しい行事となった。 限られた時 間であったので、私が聞いた話はほんの一部であったが、「プラチナ創業70周年記念万年筆」が世に送り出さるまでの紆余曲折、そして、その裏に埋もれた生 々しくも貴重な話は大変興味深かった。いずれまた、時間をつくりもっと詳しい話も聞いてみたい。
プラチナ創業70周年万年筆
セルロイド製プロトタイプ(上)とレターウッド万年筆(下)
自 身の新刊「楽しい万年筆画入門」を持つ古山浩一画伯
古山画伯のペン画

オ マスのドクターペン (あるオマス好きの方のコレクション)
左から、シルバー、ゴールド、ゴールド透かし
オマスを好きでも、ここまで持っている人はなかなかいないでしょう。
オー クションの様子
全国のフエンテ会員から送られてきたカンパ品
オークションに供するものと即売品に分けて並べられた。

ユーロボックスのコーナー 中央は、「北欧の匠」のオーナー成川さ ん。
成川恒太さんが手に持っている のは、白樺のコブをくり抜いて作られた、 フィンランドのククサという コップ。
北欧の匠 03-5524-5657

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