シカゴペンショー 2002 - Chicago Pen Show 2002

2002年05月24日

北米で最も歴史のあるシカゴ・ペンショーに参加しました。 参考のため、簡単に報告して おきます。
ヨーロッパのペンショーは、タウンホールなどの小さな会場で1日のみつつましく行われるのに対し、アメリカの各地で行われるペン・ショーは通常、 木曜日から週末に かけての4日間で構成されており、その会場も一流のホテルで大きく華々しく行われる。 今回も2002年シカゴ、ペン・ショーは、 例年の会場であるシカゴ、オヘア空港の近くのウェステイン・ホテルで開催された。


 木曜、金曜と土曜の3日間はいわゆるスワッピングと呼ばれる、基本的にはデイーラー間の取引である。 ただし、アーリー・エントランスと呼ばれる特別料金 ($60/ 約\7,800) を払えばコレクターも4日間有効のリボンがもらえ、ペン・ショーの他、オークション、セミナーなどにも参加できる。 最初の木曜日はデイーラーの数は30 人くらいと少なく、比較的小 さな部屋があてがわれる。デイーラーが持ち込んだそれぞれのペンをテーブルの上に並べ売り買いが始まる。 金曜、土曜、日曜と日を重ねるごとにデイーラーの数も増え、会場はボール・ルームと呼ばれる大きな会場に移される。 そして、日曜日の最終日にはデイーラーの数も 130人以上(テーブル数は約180)にも達し、そこではじめてパブリック (一般入場)に開場されペンショーも最高潮を迎える。  ペンを持ち込んで売り買いする、いわゆるテーブル・ホルダー(テーブル代を払い出店する)の多くはペン・コレクターである。 ペンだけで生計を立てているいわゆるペン・デ イーラーは非常に少ない。  ほとんどの人達は他に仕事を持っていて、その上で万年筆とのかかわりを楽しんでいる。  勿論、仕事をリタイアーしてペン・デイーラーさながらの生活をしている人も結構いる。  彼らを観察していると結構楽しい。 ある人は、自分が所有する万年筆のリストを持ち歩いていて、良い物を見つけると 「これはなかなかいいけど、オレ、 持っていたんじゃないかなあ」などといいながらリストとにらめっこ。そして、「あッ、やっぱり。 じゃ、あれを手放してこれととっ換えよう」 コレクター のほとんどがこの方式である。万年筆に限らずコレクターはいずこも同じである。 こうやって1本、1本自分のコレクションを増やしていくのである。 現行品を見て歩くのも楽しい。  現行品を扱っている業者も3-4割出店している。

 

 今回のハイライトは、セーラー万年筆の長原氏のニブ・クリ ニックであった。(参考のため、アメリカではニブ・クリニックと紹介されていた) 長原氏が シカゴ、ペンショーでニブ・クリニックのデモンストレーションをされることが決まって以来、何人ものアメリカ人からその話しが出ていたので、私は、このニ ブ・クリニックが話題になることはある程度予想していた。 ニブ・クリニックをしてもらった人は、やはり、一様に感激していた。  「すごい!」と。 (長原先生のファンの方、安心してく ださい)  アメリカのコレクターは日本のペン好きと比べその趣を異にしてる。 まず、日本のユーザーは、多くの場合、 書き味を重視するのに対し、彼等はそれほど書き味をあまり気にしない。  だから驚くのである。 長原氏の 「長刀」 を試筆してみて、「これは何なんだ !!!」と。 現行品万年筆を扱うある業者は私にこう漏らした。  「オレは30年間万年筆を扱ってきたけどこんな経験は初めてだよ - What a nice ink flow! incredible !! - 万年筆もこのような整備の仕方があるのだとは知らなかったよ」 と。  テーブルの廻りは自然と人垣でいっぱいになっていた。

 

 土曜日の午後はオークションである。  アメリカで開催される大きなペンショーのほとんどがオークションを併催しており、シカゴクラスとなると数百ロットは用意される。  興味ある向きは事前にカタログが入手できるのであらかじめチェックされることをお奨めする。 この他、John Mottishaw によるニブ調整や、プロカメラマンによる万年筆のデジタル写真の撮り方などのセミナーも行われた。  土曜の夜は楽しい 「Jam Session」 である。  ラブソングあり、ポップスあり、カントリーあり、 はたまたジャズあり。 何でもありのカラオケみたいなもの。 舞台に上がる人は何れも多士済々であるハワイからいつも来る John Woo は、場を沸かせる人気者である。  彼はエレキギターをテヶッテヶッテヶッテヶッと自由に繰って・・・・・、レパートリーも広い。 でも、ダイヤモンド・ヘッドはやらなかったなぁ。


 とまあ、こんな調子で楽しいシカゴ、ペンショーでした。 長原さん、お疲れさまでした。 そして、 お元気に誕生日をシカゴのペンショーで迎えられほんとうにおめでとうございます。  セーラーコーポレーションオブアメリカ社長の R.Egolfさん、桝山さん、セーラー東京の増本さん、そして樫本さん、古山さんお疲れ様でした。 写真は、一部、樫本氏、古山氏から提供を受け ました。 (藤井記)

Don, and everyone who supported him to make this pen show such fantastic, I thank you so much for the wonderful and great pen show.  We enjoyed the show very much.  
Mr. Nagahara wants to give you and everybody there his best regards.  (Eizo Fujii)

 

 


会場のボール・ルーム風景

 


アメリカ、ドイツ、フランス、インドのデイーラー仲間と。

 


当然のことながら、万年筆を触る時にもマナーがある。日本のデパート、文房具店の店頭に並んでいる商品を触る感覚で手に取ったりするのは、ペンショーでは避けたい。また、興味本位で、いろいろな所を触るのも禁物である。特に、レバーを起こしたり吸入機構をさわったりするのは破損や故障の原因となることがあるので危険。確認したい所があれば 「ここを廻してもいいですか」と断ってからにしたほうが安全。そして、触る時は細心の注意を払って。なぜなら、それは持ち主にとって大事な愛する万年筆だから。また、それは Pen Lover が最低守らなければならないマナーだから。

 


長原氏の横で微笑みながらニブ・クリニックをみつめるのはペンワールドの社長。

 


Sailor Corporation of America の R. Egolf 氏、マイケル桝山氏、 セーラー海外事業部の増本氏、古山氏、ペンワールドの社長らが見守る中、緊張した雰囲気で ニブ・クリニックが始まる。

 


感激のあまり、Wooooooow ! What a smooth writing !!!とでも言っているのかな。

 


長原ジュニアも、横で緊張しながら見守る。

 


コレクターから、肩に掛けるペン ショー用のペン差しをもらい長原さんは大喜び。左のコレクター は(Terry Clarkというプロのカメラマンらしい)買った 万年筆を次々にこのペン差しに差して会場を歩いてまわる。

 


ペンショー、オーガナイザーの Don Lavin さんから、スクリムショーアートで長原さんの顔を掘り込んだ記念万年筆を贈呈される長原さん。左はオークション担当の Michael Fultz氏。

 


贈呈された万年筆を持ち、Sailor Corporation of America社長のR. Egolf 氏、Scrimshaw Artist のボブ・ハーガート氏と記念撮影におさまってご満悦の長原氏。

 


今回の長原氏のニブ・クリニック出演には、我万年筆くらぶ、フエンテの樫本氏、古山氏も一役を担われた。

 


古山さんもスケッチで奮闘。でもなぜか、女性ばかり描いていたなぁ。上は古山さんからスケッチをもらい大喜び の女性。

 


上の2本の万年筆は、ハーガートさんがスクリムショーを施したもので、それを古山さんがスケッチしたもの。右側の万年筆が長原氏に贈呈された。この写真ではこの写真では良く見えないが非常に素晴らしい。象牙軸の万年筆にスクリムショーを施したものが素晴らしいとか。

 


古山さんの右隣で顕微鏡をのぞきながら作業をしているのが技術者のボブ・ ハーガートさん。万年筆を顕微鏡で見ながら特殊な工具で様々な文様を刻んでいく。