萬年筆くらぶ・fuente 交流会2011 − fuente meeting 2011

2011年10月22日


 今年も萬年筆くらぶフエンテの交流会が10月22日と23日の両日、銀座のギャラリー「北欧の匠」で行われました。この日が来るのを待ってましたとばかり、みんなウキウキの様子でした。今年はセーラーの長原宣義先生を迎え講演があるというので、セーラーファンはもとよりたくさんの(述べ人数150人くらい)万年筆ファンが集結し会場は熱気に包まれていました。

交流会の主なスケジュールと会場に並べられていたものを紹介しておきます。
22日(土曜日)
・ カンパ品の販売(3階 )
・ ユーロボックスの万年筆 (3階)
・ T.MBH の革製品(3階)
・ Stylo Art の木工製品(3階)
・ Bungu・Box の万年筆
・ fuente 50号発行記念の「ノート fuente とともに」
・ fuente オリジナルノート
・ 神谷さんの本「万年筆でペーパーナプキン・スケッチ」と「My Favourite Fountain Pens」   
・ 土居さんから差し入れの新米
・ 高橋さんからの差し入れリンゴ

23日(日曜日)
・ セーラー、長原宣義氏の講演
・ オークション
・ お疲れ様の飲み会


 今回講演された長原宣義氏は御年79歳を迎えられますます意気軒昂、ほんとうにお元気である。ご自身が開発製作された様々なペン先製作にまつわる苦労話から始まって、万年筆画家である古山浩一画伯との出逢い、全国のペンクリニック会場で逢う人たちとの交流、そして、たくさんの人たちからアイデアをもらいながらいろんなペン先を開発していかれたという話は個人的にも興味があり非常に面白かった。

 あの「筆でまんねん」は、ある学生からのヒントがきっかけで開発・製品化されたものだそうだ。あるクリニックの会場で、学生から「クロスポイントの万年筆のように太く書ける万年筆が欲しいのですが高くて買えません。太く書けるペンでなにか安いものはないですか?」と聞かれ、なんとかしてやりたいという思いから、さんざん苦労した挙句に、普通のペン先をそのまま曲げて腹を使えば太く書けるということを思い立ち作り上げたということであった。ペン先を曲げてしまうなどということを考えてしまうその発想自体がやはりすごいと思う。


 古山画伯からもいろいろとアイデアをもらったそうだ。古山画伯の場合は書くスピードが速いのでインクがたっぷり出なくてはならない。その辺りのペン先の作り具合に苦労されたようで、長原氏曰く、古山画伯の、万年筆で描くあの恐ろしいほどのスピードとその正確さにはたまげたそうである。


 長原氏が開発された様々なペン先は、その発想がすべてペンクリニックで逢った人たのアイデアが源となっているのだそうだ。これまでに開発されたペン先は、長刀、クロスポイント、キングイーグル、だんご3兄弟など、数えればきりがないが、「すべてが皆さんのアイデアなのです」と謙遜気味に語られた。 通常、こうした消費者のニーヅを持ち帰るのは最前線にいる営業マンである。そして、会社に持ち帰られた情報が営業と開発によって検討が加えられ製品に反映されるまでには相当の日数がかかるのが常である。長原氏の場合は、そういう中間の作業が不要であり、ペンクリニックでのユーザーの濃くて生々しい要望を吸い上げて、それをすぐさま試作に織り込むという方法で、あっと驚くような万年筆をたくさん作り上げていった。そして、海外にも発信、自身自らシカゴやさまざまなペンショーに出向き未開の市場をどんどん開拓していった。そういう飽くなき追求精神は長原氏の真骨頂であり、その結果として生まれた数々の万年筆は異彩を放っておりあらゆる意味でその功績は偉大だ。


 長原氏は講演の最後のことばとしてこう結ばれた。「万年筆というものはほんとうに楽しいもの、万年筆にはロマンがあり、万年筆で書いた手紙は人に感動を与えます。みなさんも万年筆で楽しんでください。この12月で会社を辞めますが、これまでにやり残したことがたくさんあります。これからは制約もなく好きなことができるのでコツコツと好きなようにやって行きます」と。少々失礼な言い方かもしれないが、傘寿を迎えようとしておられるのに、まだまだ意欲満々、ますます意気衝天なのである。思わせぶりではあるが、これからの長原宣義氏がどのように動かれるのか、非常に楽しみである。月並みな言葉ですが、長原先生、長い間お疲れ様でした。


 長原宣義氏のご子息、幸夫さんも御父直々の紹介でこれからの抱負を語った。幸夫さんのデビューの作品は極細万年筆であり、極細にはこだわりがあるという。それにはあるきっかけがあった。アメリカのペンショーで、スーザン・ワースという女性からパーカー45の極細で書いたというメモをもらった。非常に興味を持って、さっそくその会場で自社のセーラー万年筆で極細研ぎに挑戦したという。その時体験した「極細研ぎ」というのは幸夫さんにとっては非常に新鮮な経験だったのであろう。「何年先になるかわからないが、近い将来の目標としては、突いて書いてもサッと書ける万年筆を作りたい、レフティのような。工場の中にいるだけでは新しいものは生まれてこないのでどんどん外に出て、いろんな人たちからいろんなアイデアをもらい、あんなんやら、こんなんやら、さまざまなものに挑戦していきたい、わくわく、どくどくを感じながら。みなさん、楽しみにしていて下さい」と熱く語った。(汗だくだくでしたね)


 オークションは小粒ではあったが個々に見てみると結構面白いものがたくさん出ていた。でべそさんによると、あまり多いので35点くらいに絞ったということであった。今回の最高値は、日興エボナイト社製の万年筆、棗(なつめ)で20,000円の大台まで競り上がった。T.MBHの円筒型の「転がる文鎮」などはもっと高値がついてもよさそうなものであったが以外な金額で落札された。イギリスからの来訪もあり、オークショナーナーのでべそさんは日本語と英語を使い分け(?)ながら奮闘、実に楽しいオークションでした。イギリスから来られたリチャード・ゴールドスタインさんも根っからの万年筆愛好家で、特にセーラー万年筆には目がないというくらいのセーラーファン。オークションでは、オンライン製の螺鈿万年筆やカルティエのカードケースなど6点ほどをせしめご満悦であった。念願の長原宣義先生とのツーショットにも納まりホクホクの顔で会場を後にされた。


 時間がたつのは早いもので、2日間はあっという間でしたが、今回もたくさんの人たちが集まっての2日間、ほんとうに楽しい楽しい時間を過ごさせていただきました。萬年筆くらぶfuente の交流会を毎年開いてくださる中谷でべそさん、そして、その会場を提供されている「北欧の匠」のオーナー成川善継さんのボランティア精神には頭が下がる思いです。 みなさま、お疲れ様でした。


 


いつも笑顔を絶やさない萬年筆くらぶfuente の主宰者中谷でべそさん
胸にはしっかりと吉田扇涼さんの布製のバッジが

萬年筆くらぶ事務局: 中谷でべそ 
〒243-0405 神奈川県 海老名市国分南1-6-30
   PFB02273@Nifty.ne.jp

 

 

 

 

セーラーの長原宣義氏    2007年には「現代の名工」にも選ばれたペン先職人


口腔外科画家(と言っていいんですか)の草間さんから花束と絵画をプレゼントされ神妙な面持ちで見入る長原宣義氏

 

 

 

 

 

突いてもサッと書けるペンを造りたいと長原幸夫さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たこ吉こと森睦さんのペンクリニック

 

 

 

 

 

山田さんはペンクリの合間を縫ってウォーターマンコレクションを披露する
ヴィンテージ万年筆に関しては相当年季が入っているこの二人

 

 

 

 

 

T.MBH(岡本拓也) の革製品  個人的には中央奥にあるペンシルキャップ(銀に革巻き)が面白いアイデアだと思った

 

 

 

 

 

ユーロボックスの万年筆

 

 

 

 

 

 

fuente 50号発行記念グッズなど  
左から fuente に寄せて、ノート fuenteとともに、fuente オリジナルノート
まだ残っているそうですので事務局にお問い合わせください

 

 

 

 

Stylo Art 製品の説明をする数野さん(左側)


 

 

 

 

向かって右側が BUNG・BOX の商品(貴重なパイロットキャップレス限定品が出ていた)

商品の説明をする BUNG・BOX の山岸さん

 

 

 

 

神谷利男さんの著書「万年筆でペーパーナプキン・スケッチ」と「My Favourite Fountain Pens]
ユーロボックスにも在庫がございます 

 

 

 

 

土居さんが手塩にかけて作ったお米 

 

 

高橋さん差し入れの青森りんご

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彫金の勉強をしている新島さん 手持ちの万年筆には、自分で彫金したというシルバーのリングなどがついていた

 

 

 

 

 

万年筆画家の古山浩一氏(右)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すごい鞄を作るもんですよね! 万年筆を挿すとロックがかかるのだそうです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オークションの品々


オンライン製螺鈿の万年筆

 

神谷さんが描いた Mr.Sailor が出たときは思わずオーっと乗り出した
(Kammy のブログで話題となっているようです)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すなみまさみちさん、北欧の匠の成川さん、自称インキ止め式オヤジの土居さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英国から見えたリチャード・ゴールドスタインさん、長原宣義先生、藤井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヌヌ? ひょっとしてこれが正真正銘の剣先の万年筆!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きくなったねぇ、オノト君

 

 

 

 

 

プラチナ社の製品開発に貢献された角野さんと世界に知られる往年のコレクター中園宏さん

 

 

 

 

 

山田さんのウォーターマンコレクションから  しっかりとブルーリップルも鎮座ましましていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

成川さんは「萬年筆くらぶ・fuente」のよき理解者で、毎年交流会の会場を提供されています。
毎年数回、自ら北欧(主にデンマーク)に出向き、こだわりの商品を仕入れされています。 品揃えは実に多彩で、
家具をはじめ、インテリアの小物、陶磁器、食器、テーブル周りの小物など常時数万点があるといいますから驚きです。

北欧の匠
東京都中央区銀座1-15-13  北欧ビル 電話:03-5524-5657

オーナーの成川善継さん

 

 

成川恒太さん

 


写真の一部は日高さん、杉本さんから提供していただきました。
写真削除をご希望の方は右記まで連絡ください。 03-3538-8388  info@euro-box.com