ハンブルク ペンポート 2008 - Pen Port Hamburg 2008

2008年10月04日

朝夕に肌寒さを感じるこの時期になると、私はいつもドイツ行きの準備をすることになる。 毎年10月3日に行われるハンブルグ ペン・ポート2008に参 加するためである。 仕入れのかなりの部分を海外ソースに頼っている私としては、ハンブルク ペン・ポートははずすことのできない仕入れ先のひとつでもある。


ハンブルクは歴史のある町で、由緒ある多くの建築物や文化遺産があったが、悲しいことに、これらのほとんどを戦禍で失っているのは周知のとおりである。今 日では、町を歩いていても近代的な建物ばかりで、古い建物があまり見られないのは寂しい限りである。 しかし、そのような中にも、壁などに生々しい砲弾の 跡が残る象徴的な建物がいくつか遺されており、それは、先の戦争がいかに破壊的で凄惨なものであったかを物語っている。 そこには、過去の戦争を直視しあ のような戦争は二度と起こさない、忘れてはならない、そして、それらの史実と共に歩んで行かなくてはならないのだというドイツ人の悲壮な覚悟と想いが表れ ているような気がする。

 

前置きはこれくらいにして本題に入ることにする。 ハンブルクのペンショーはいつもフリーマーケッ トとセットで行われ、10月3日の開催と決まっている。 Pen*Port 2008のオーガナイザーの一人であるデイビッド・パリジさんは、自分の誕生日に開催すると決めているのだ。 いつも奥さんのカリンさんといっしょにいる のが実にほほえましい。 今年は、デイビッドさんの実兄のピーターさんも加わり更に和やかな雰囲気だった。 会場は、ハンブルク市内、東寄りの位置にある Banbek駅の前、「Museum der Arbeit」(労働のミュージアム)。 

 

到着がちょっと遅れてしまったので、急いで入場したら、すでに10人以上の出店者が来ていて、すで に売り買いが始まっていた。部品をたくさん持ち込んだ出店者の周りには、たくさんの人だかりができていた。「早起きは三文の得」というが、こちらにも鳥に 例えた同様のことわざがあり、当然のことながら掘り出しものや値ごろ感のあるものは「早い鳥」に持って行かれてしまうことになる。やはり、遅れてきたら負 けなのだ。

 

今年の出店者数は42人で、一人1.5メートルと定められたテーブルの上にはところ狭しと万年筆、 ペンシル、ボールペン、インク瓶、パンフレット・ポスターなどの紙もの・・・等など、あらゆる筆記具と文房具が並べられる。出店者を見ていると、各人各様 で、おおまかにいうと、ヴィンテージ品、現行品、限定万年筆、インクや手帳というような分野に分かれている。その中には、文具ならなんでもござれというよ うな品揃えの人もいるから見ていて楽しい。 私のテーブルもあるが、私の場合は売るものはテーブルに並べるまでもなく、小向い(業界用語で、業者あるいは特定の人との間で売り買いをする)でさばいて しまうので、もっぱら買いに走り回ることになる。従って、私のテーブルはいつもガラガラで、隣の友人が使うことになるのである。朝9時前に到着した後、4 時ごろまで、昼食の時間も忘れるくらい会場を何回もぐるぐる回るのだが、面白いもので、何度回っても欲しいものに出くわすのは不思議だ。

 

ドイツで行われているペンショーとしては、この他に、ケルン、ニュールンベルク、ベルリンなどがあ るが、規模からいうとハンブルグとケルンがほぼ同規模で、出店者の数はそれぞれ40くらいにもなる。アメリカのペンショーと比較すると規模はかなり小さい が、勿論、ペリカンやモンブランなどのドイツ製筆記具はたくさん並び充実した内容である。 デイビッドさんによると、今年は雨の影響で、開場周辺で行われたフリーマーケットの入場者数も例年より少なかったが、それでも1000人くらいの人たちが 訪れたようだ。

 

ハンブルクは美術館も充実している。毎年来ているので、いつも、次回に鑑賞することにしようとして しまい、歴史の探索や街歩きはあまりしていない。せっかくの機会だから、次回はもう少し時間の余裕を持ってぜひ実現させたいと思っている。

 


ハンブルク ペン・ポート 2008の会場入り口。
会場の外ではフリーマーケットが行われている。今年は雨だったので去年に比べ出店者もまばらだった。



オーガナイザーのデイビッド・パリジさん、カリン・パリジさん、ピーターさん。

 


ドイツでは2歳ごろからペンを持たせるという。 家族連れも多い。

 


このとおり、安いものからとても手が届かないよなものまで、さまざまなペンが並ぶ。

 


ペン先をチェックするペリカンアーカイブ館長のディットマーさん。

 


お見事! ペリカン、スーベレーンの飾り物。 
店の飾りにぜひとも欲しかったがすでに買い手は決まっていた。

 


あるモンブランコレクターご自慢の逸品。 お目にかかれて幸せ。

 


左がドイツのペンクラブCASを 主宰するトーマス・ユンゲさん。

 



 



 


ペリカンのポストカード、紙もの、ケース、販促品など・・・。
よく見るとマイナーブランドの箱も見える。

 





ミュージアムの展示品のひとつ。 何に使うのか、中には見たことのないような不思議な冶工具も。
Museum der Arbeiteは 労働に関する資料を展示している博物館で、過去150年くらいの近代ドイツ
の労働史を見ることができる。 ただ、普段は博物館の収集品のごく一部しか展示されていない。


宿泊ホテルの朝食メニュー 
ドイツの場合、小さなホテルでもいろいろなものがバランスよくとり揃えてあり、朝食が実に楽しい。