シカゴ ペンショー 2007 - Chicago Pen Show 2007

2007年05月25日

今年もシカゴペンショーに行ってきた。今回は、岡崎で文具店を経営されている竹内さんが、アメリカ のペンショーを一度見てみたいとおっしゃるのでペンドクターの川口さんと共にご一緒した。会場のウェスティンホテルはシカゴ、オヘア空港から車で5分くら いで行けるので非常に便利だ。スポンサーはKrone、Stylus、Gregory H. Sachs、Pendemonium、 Judd Pearlson's Auciton sales、Total office pruducts、Century Pens、Gilbertson Clybournと,、沢山の協賛があった。クローネといえば、エマーユ」を施した高級品を作っているメーカーであるが、今回も近く発売されるという 「Custer将軍」や豪華絢爛な万年筆をたくさん展示していた。

 

通常メジャーなペンショーではオークションやスポンサーからの目玉商品の展示などの企画 があるのが普通だが、今年はオークションもなく比較的静かな感じであった。それでも恒例の修理講座やセミナー、出版本のサイン会などがあり結構楽しめた。 私は、「Parker "51"」と「Parker Duofold」の本を購入し、著者の方々と記念写真に納まりしっかりとオートグラフももらってきた。テーブルホルダーは地元のアメリカに加え、ドイツ、 クロアチア、イギリス、フランス、ブラジル、カナダ、日本などの海外組が参加しにぎやかなショーとなった。日本からは今年も中屋万年筆が出店した。

 

アメリカのメジャーペンショーは多くの場合、木曜日から週末日曜日までの4日間通しで行われる。初 日の木曜日は出店者は少ないので小さい会議室が使用される。集まったのは60人くらいであろうか。このうち万年筆を並べる人は一部の20人くらいだけで、 大半は買いに回る人たちである。それぞれ持参した万年筆をテーブルに並べ取引がはじまる。並べられる商品はほとんどがヴィンテージ品で、新しいものはほと んどない。ウブいものを持ってくる人がやってくるとその人のテーブル周りはたちまち人だかりとなり、買い手は、次々と荷ほどきされてテーブルの上に出され る万年筆に期待を持って待つ。緊張の瞬間だ。めぼしいものがあれば一つでも多く手に入れ、自身のコレクションに加えたり、あるいは土曜、日曜に備えての仕 入れとするのである。このように前夜祭のような感じでヴィンテージ品の売り買いがされるが、ペンショーの前半がスワッピングと呼ばれるのはこのためであ る。金曜日になると出店者も増え、ボールルームと呼ばれる一番大きな部屋を半分に仕切って使用、やっとペンショーらしくなってくる。そして、いよいよ本 番、土曜日には「パブリック」と称し一般客向けに開場されるのである。朝9時には約250ものテーブルのほとんどが埋まりペンショーは最高潮を迎える。 

 

週末にペンショーを訪れる人たちは様々だ。土曜日、日曜日の開場時間前には、熱心なコレクターに加 え子供連れの家族や若いカップルなどで入り口は行列ができるほどごった返す。また、万年筆を持参して評価をしてもらったり処分をしている人たちもちらほら 見かける。4日間の延べ人数は、テーブルホルダー、ヴィジター合わせておそらく7-800人くらいには上ったであろう。

 

テーブルに並べられるアイテムもかなり多岐にわたる。万年筆、ペンシル、ボールペンなどの筆記具類が一番多いのは当然だが、筆記具類の様々な部品、イン ク、筆記具周辺グッヅ、ポスター・ブロッター・カタログ・資料などのエフェメラ類等々、新旧おりまぜ、およそ文具店にあるようなものはほとんどが並ぶ。数 えてみたことはないが、陳列される万年筆、ペンシル、ボールペンなどの筆記具類の数はおそらく4-5万本を優に超しているであろう。ヴィンテージ品と旧型 を含む現行品の割合は半々かあるいは現行品がやや多めといったところだろうか。

 

万年筆の仕事をしていて時々思うことだが、筆記具に対する考え方には西 欧と日本とでは多少温度差があるようだ。例えばヴィンテージ品について言えば、欧米ではヴィンテージ品を買う人たちはいわゆるコレクターと言われる人たち であり、そのほとんどの人達は万年筆の書き味がどうかなどということには全くと言っていいほど興味はない。なぜなのか?簡単である。ヴィンテージ品はコレ クションとしての万年筆であって道具ではないのだ。使うことがないから書き味などにかまうことはないわけで、彼らにとっては万年筆のコンディションがどう であるかということの方がよほど重要なことなのであろう。日本ではどうだろう。一昔前、日本でもヴィンテージ品は「コレクターのもの」、「使えないもの」 というイメージがあり、やはりごく一部の人たちのものであったように思う。勿論修理して楽しむ人たちもいたであろうがそういう人たちはごく一部の人たちで あったはずだ。しかし今の様子は違う。現在日本では盛んにペンクリニックが行われるようになり、「眠っている万年筆を直して使って見よう」という機運が出 てきている。また、「ヴィンテージも面白い」と、このところ万年筆の専門雑誌にもしばしば取り上げられるようになり、少しずつではあるが確実にその裾野は 拡がっている。ちなみに、私の店でヴィンテージ万年筆を購入される人のほとんどはそれを実用にされる。それを海外の友人に話すと、彼らは一様に、「素晴ら しいこと」と感心しながら言う。 このように、日本のヴィンテージ万年筆市場は、欧米の「コレクター」に対して、「実用型のユーザー」によって育ちつつあ る。万年筆本来の姿である「書くための道具」として・・・。


3人で訪れたシカゴペンショーの4日間はあっという間だった。いつ参加しても、やはり、アメリカの ペンショーはすごい。初参加の竹内さんから後日いただいた手紙の言葉が印象的です。「見るもの聞くものすべてが初めての経験で、とても楽しくてエキサイ ティングな日々でした」




ペンショー会場受付

全米のペンショーやペンクラブのパンフレットなどが並べられる。

 


会場風景 (土曜日)

 


オーガナイザーのDon LavinさんとスポンサーKroneのRobert Kronenbergerさん。 

 


新発売の「Custer将軍」を手にRobert Kronenbergerさん。

 


偉大なParkerコレクターたち! (サイン会のようす) 

左より、Dave Rudemanさん、Jeoffrey Parkerさん、David Shepherdさん、Dan Zazoveさん。

偉大なコレクターたちがこのように一同に会するのもアメリカのペンショーならではのこと。

 

 


サイン入りのこれらの本が会場で発売された。

 


イギリスHeritage ProductsのDavid RudermanさんとJeoffrey Parkerさん。

 



 



Maryann さんと Steve Zuckerさん。

 


中屋万年筆のブース。 ペン先調整をする吉田さん。

 


今回は The Pen Collectors AmericaのLinda Bauerさんが万年筆の魅力について語った。

子供も含めての楽しい会だったようだが、私はすっかり忘れていて参加できなかった。

 


Susan Wirth さん。

 


こういういインク瓶やインクウェルなどたくさん展示販売される。

 




 



 



 

 

 

 

 

週末には子供連れもよく見かける。

 

 

お見事!Stilo Penの数々。

 

 

川口さんに意見を求めながらペン・ハンティングに夢中の竹内さん。

 

 

Parker Flag 1960年代くらいのものの様だ。私も店の飾り用として買ってきた。

 

 

Gavin Pertersonさん、Len Provisorさんとレストランでのショット。